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リソー教育

リソー教育 売上水増しの粉飾

 

 株式会社リソー教育


東京1部上場 コード:4714
事業内容:
都圏地盤に個別指導受験塾「TOMAS」、幼児教育、家庭教師派遣、英会話
事業内訳:
学習塾57、家庭教師派遣教育24、幼児教育14、インターネットテレビ電話教育2、他3
住所:東京都豊島区目白3−1−40
電話:03-5996-2501
設立年月日:1985年7月6日
従業員:539人
東京証券取引所「特設注意市場銘柄」に指定


約7年にわたり83億円を水増し会計していたことが発覚。

「28年連続増収」の同社の現実は、実は債務超過。

昨年12月に突然同社が発表した「不適切な会計処理の疑義に関する調査のための第三者委員会設置に関するお知らせ」が発端だった。
子会社の過去の売上高について適切な会計処理がされなかった疑いがあるとして、第三者委員会を設立した。
会社側は当初、「契約時に売上高を計上してしまったことによるズレ」だと説明していたが、2月10日に開示された第三者委員会による調査報告書で、単純ミス以上の「不適切な」会計処理が明らかになった。2008年2月期から直近まで約7年にわたり売上高を累計83億円、不適正計上。それに伴い、累計で経常利益で83億円、最終利益で58億円乖離が生じた。

・あらかじめ受け取っていた授業料を退会した生徒に返金しなかった例
・生徒が連絡なしに欠席したとして実施していない授業を売り上げ計上
・無料体験として実施した講座を受講料を受け取った通常講座として計上
などなど、手法は多岐にわたった。
これまで売上高に計上していた返金すべき授業料は、前受金としての負債計上することになり、水増しされた利益分の純資産が減少。12月2月期末で33億円としていた純資産は実はマイナス2億円強と債務超過に転落する。

この重大な粉飾の中で、2012年秋から、第三者割当による新株予約権の発行や公募増資によって、海外市場で約80億円に上る資金調達を実施していた。
新株予約権を引き受けた投資家は、その価格を超えれば会社の許可を条件に権利を行使、市場で売却できることになるのだが、2013年5月末に一時1100円台まで上昇。結果的に12年9月〜13年3月にかけ、約64万株の自己株を売り出し34億円を調達し、さらに2013年6月には新たに公募増資と売り出し(計46万株、43億円強の新株発行)も実施。合わせて80億円強を市場から調達した。
いずれも、一株あたり600〜700円台(株式分割考慮後)での取引だった。
不適切会計の発覚後、大きく下げた株価は現在300円前後で推移する。
この増資がないと債務超過額は2ケタに膨らんでいたことは確実で、高い配当まで実施して投資家の目をごまかし、株式市場から架空の業績を基に80億円弱の資金調達を実施していることになる。

第三者委員会の報告書では、
不正の原因は創業者の岩佐実次会長の「売上高に重きを置く経営方針と、これに直結する短期の昇級、昇格、降給、降格などの人事評価制度」であり、「取締役や社員が売り上げ目標達成のためには売上高の不適正計上もやむを得ないとの心情に陥って実行した」点を指摘している。
2月14日、リソー教育は不適切な会計処理を認識・指示したとする子会社の社長ら3人の辞任を発表し、岩佐会長が社長を兼任する人事を発表した。
会社が不正に傾いた最大原因と言える岩佐会長が残り、経営権を持ち続けることへの疑問は残る。

監査法人や証券会社に対しては、なぜプロが粉飾増資を防ぐことができなかったのか、という疑問が残る


業績への影響は大きく、証券取引等監視委員会から勧告された課徴金4億円、増資に応じた投資家などからの民事訴訟の可能性もある。
また、長期間にわたる水増し・粉飾で一度失った市場の信頼を取り戻すことは容易ではない。社名の「理想の教育」を掲げた初心に戻って再生できるかどうか。
 


 

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