トップ  >  粉飾決算の事例  >  ニイウイスコー粉飾の記事

日経ビジネスオンライン


日経ビジネスオンライン より引用

 元会長逮捕のニイウスコー、架空取引のからくり


問われる「監査法人」の責任と抑止力
高橋 篤史  【プロフィール】
ニイウスコー 粉飾決算 日本IBM 逮捕 倒産 トーマツ 架空循環取引
ブックマーク mixiチェックシェア1/3ページ
2008年4月に倒産したIT(情報技術)関連企業、ニイウスコーを舞台とする粉飾決算が長きにわたった内偵捜査の末、ようやく刑事事件化した。2月11日、証券取引法(現金融商品取引法)違反の容疑で、横浜地検特別刑事部は同社の末貞郁夫元会長ら旧経営陣2人を逮捕した。
 

 ここ数年、メディア・リンクス、アイ・エックス・アイ(IXI)とIT関連業界で次々に起きてきた大規模な粉飾決算。今回の事件を巡っては、監査法人だったトーマツに対する風当たりが強まりそうだ。
 

 ニイウスコーは不正会計に手を染めていたのではないか――。
 

 筆者がそんな疑念を持ったのは今から2年半ほどさかのぼる2007年9月のことだった。ニイウスコーは日本IBMと野村総合研究所を母体として1992年に設立。三菱東京UFJ銀行のシステム統合作業に関わるなど、業界ではまさに堂々たるメーンストリームの会社と言えた。ところが、2007年6月期決算で、同社は突如として巨額の特別損失を計上、約300億円もの最終赤字に転落したのである。明らかに異常な決算だった。
 

 しかも、日本IBM出身者が大半を占める経営陣にはなぜか都内の高級マンションが社宅としてあてがわれていた。中でもワンマン経営者で知られた末貞元会長は横浜市内に自宅を保有していたにもかかわらず、会社から別宅が用意されていた形だった。否が応にも乱脈経営の臭いがプンプンと漂っていたのである。
 

医療関連システムを金融関連部署に発注
 

 疑念が確信に変わったのは、ある内部告発がきっかけだった。「巨額の特別損失となった在庫には実体がない」――。そう打ち明ける内部告発者は大量の社内文書を提供してくれた。特別損失となった在庫の品名や取得価格などが記載された一覧表や取締役会資料、商品を仕入れた際の稟議書――。それらを検証するうち、ある取引が目に止まった。
 

 手元にその内部資料がある。2006年6月30日付で作成されたニイウスメディカルシステム(ニイウスコーの医療システム子会社)の臨時取締役会資料がそれだ。グループ内のニイウス(同じく金融システム子会社)から「医療機関向けソリューションパッケージ」を購入することが第1号議案として示され、その取引内容とともに、以前にニイウスがその商品をグループ外部から仕入れた際の稟議書が添付されていた。
 

 最も大きな金額の「統合医療データベース」は2004年10月に日立情報システムズから2万ベッド分が24億円で購入されたもので、うち1万5800ベッド分が18億9600万円でニイウスメディカルに転売されるというものだった。いかにも大型の取引だが、稟議書では「ロットで購入することによる価格メリット(50%Discount)を享受」などとそれらしき理由付けがなされていた。
 

 ところが、日立情報システムズに取引実績を尋ねたところ、「そのような取引記録はない」との驚くべき回答が返ってきたのである。そこでニイウスコーに確認を求めると、取材に応じた吉兼晴雄取締役(当時)らは当該取引に関する銀行振込伝票を示しながら自社の潔白を懸命に主張した。
 

 だが、その伝票を子細に眺めると、記載された日立情報システムズ側の担当部署は「金融情報サービス事業第1営業部」となっている。医療関連のシステムを金融関連の部署に発注するのはあまりに不自然だ。疑念は解消されるどころか、逆に膨らむばかりだった。
 

 


 東洋経済

 

東洋経済-ビジネス-企業戦略 より引用

疑惑・ニイウスコーの破綻とIBM、トーマツの影 - 08/05/13 | 17:40

 4月30日に民事再生法の適用を申請して事実上倒産したニイウスコー。週刊東洋経済が不正会計疑惑を追及していた同社は、取引28行に約300億円の債務株式化を要請していたが不調に終わった。システム納入で取引関係が深い主力の三菱東京UFJ銀行にも見放された。グループ2社の実質負債額は558億円。

最終的に社内調査で明らかになった粉飾決算は過去5年にわたった。リース会社をかませた循環取引などにより、ひどい年には183億円もの営業利益を水増し。実際には3年前から債務超過に陥っていた。この間、同社は2度の公募増資を実施し133億円を調達、一方で原資がないにもかかわらず年間10億円以上の配当を続けていた。

同社は週刊東洋経済報道後の昨年11月に経営の主導権が投資ファンドに移り、経営陣が入れ替わった。まもなく、不正に関する内部告発が複数から寄せられた。「これ以上続けることができないと判断したのでは」と現経営陣は語る。

監査法人も責任重大

「調査前はこれほど大きな額になると思わなかった」。関係者でさえ驚く巨額の粉飾はなぜ起きたのか。一因として挙げられるのは、設立時からトップを務めた末貞郁夫・元会長兼社長のワンマン経営と、その下での過度なノルマ主義だ。「ハンドレッド・パーセント・クラブ」と称して成績優秀な営業マンに海外旅行を与え、業績連動報酬は最高で数千万円にも上った。

こうした企業体質は、母体企業の一社で、主要仕入先でもある日本アイ・ビー・エムから引きずったものとの指摘がある。末貞元会長をはじめ、不正の中心人物と目される40代前半の元幹部2人はいずれも日本IBM出身。3年前、同社の金融部門では不正会計が発覚してもいる。偶然にもニイウスの粉飾行為が悪質さを増したのはその直後だ。

今後は監査法人トーマツの責任がクローズアップされる可能性もある。関係者によると、週刊東洋経済の記事が出た後、ニイウスは身の潔白を主張する「意見書」を銀行などに提示したが、その作成を依頼した第三者にはトーマツも含まれていたという。ファンドによるデューデリジェンスに会計士が立ち会ったとの証言もある。取材要請に対してトーマツは「個別案件には答えられない」との姿勢だ。
(高橋篤史、井下健悟、許斐健太 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)

 

 

 

プリンタ用画面
友達に伝える
投票数:57 平均点:4.39
前
ニイウスコーの粉飾
カテゴリートップ
粉飾決算の事例
次
IXIの粉飾

破産法の基礎を学ぼう

 

NEW BOOK


ヤバい経営学: 世界のビジネスで行われている不都合な真実 ヤバい経営学:
世界のビジネスで行われている不都合な真実

フリーク ヴァーミューレン Freek Vermeulen

東洋経済新報社 2013-03-01
売り上げランキング : 324

Amazonで詳しく見る

経営は何をすべきか 経営は何をすべきか
ゲイリー・ハメル 有賀 裕子

ダイヤモンド社  2013-02-22
売り上げランキング : 2154

Amazonで詳しく見る

コンテンツ

なくならない粉飾決算・不正経理
粉飾決算
粉飾決算のパターン
粉飾決算の事例
不正経理
震災後の景気
管理会計
バランス・スコアカード